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陸上自衛隊幹部候補生学校におけるシバタ工業株式会社の上級管理職研修に思う [名リーダーを思う]

平成26年3月17日~18日に標記研修が行われた。

企業の上級管理職がこぞって研修を受ける、しかもその相手が陸上自衛隊、という話は聞いた事が無い。
企業の新入社員を対象とする体験入隊が全国各地の駐屯地で、盛んに行われている、事は承知しているが、それとは意味合いが違う。

その事を耳にした私は、その一端をオブザーバーで聴講させて頂いた。その細部に立ち入ることは遠慮するが、差しさわりの無い範囲で感想を述べたい。

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全部門から執行役員を含む部長(副部長)クラス以上15名が、この2日間は持ち場を離れ、明石本社や東京・神戸支社等から久留米に集結。この一事からも、強い意気込みが伝わる・・・。


幹部候補生学校サイドが準備した主な研修のメニューは学校長挨拶、相互ブリーフィング、指揮・統御講義(総務課長)、施設見学(資料館は翌日に繰り下げ)、意見交換会(以上17日午後~夜)。グループ討議(3ヶグルーップ、各グループ研修者4~5名と学校側のアドバイザー2名で構成、以上18日午前)。
 
研修に大きな狙いと期待を持つシバタ社とそれに応え得る陸上自衛隊幹部候補生学校とがキャッチボールを繰り返して仕上げたメニュー、と感じた。


この実現に到った背景には以下の2つがある、と考える。1つは幹部候補生教育の核心部分、ひいては陸上自衛隊の(人材育成の)表看板である、戦術や指揮・統御にこそ、今のシバタ社に適用可能なもの、があるはず、この力を借りて上級者の意識や能力などを高め、会社を更に発展させたいと発想したシバタ社長の眼力・情熱。

2つはこれを受け入れた陸自幹部候補生学校。その部内指向の人材育成教育?の殻を破り、防衛基盤の裾野をより広く・強固にせんとする強い意気込み。・・・

学生教育の所要の少ない時期に限定されるであろう、事は勿論である。

学校長講話ー上級者の意欲と覚悟、達人の金言に学ぶ

学校長は前職第1空てい団長。となれば昨年の初降下、団長の自由降下、となる。リクエストもあり、その話となった。上級者になったからには”ならでは”の意欲と覚悟を持て、本気が一番とのメッセージ、と受け止めたい。

リーダーやリーダーシップについての達人の金言には味わいがある。例えば「会社を伸ばすのはナンバー2、会社をつぶすのはナンバー1」、「何かやらせようと思ったら忙しい奴にやらせろ」等。金言を深く考え、味合う事で自分なりの見識を持て、とのメッセージ、と受けめたい。



相互ブリーフィングが相互理解の地ならしをする

シバタ社側からはシバタ社のビジョンと各部の役割・問題点などを提示し陸上自衛隊幹部候補生学校側からは候補生教育の特質などを紹介し、双方からの参加者の相互理解の地ならしする工夫が目についた。
又此れを職員教育の機会と捉え、シバタ社のブリーフィングを多くに聞かせた学校側の真摯な態度に敬服。



お家芸を分りやすく説く講義が問題意識を刺激する

総務課長の講義はリーダーシップ、指揮と統御、指揮官と幕僚、指揮官の状況判断と幕僚見積り、状況判断の思考過程等について、素人にもわかりやすく噛み砕き、時に篤く、時に面白く、研修者の興味を引き付け、理解を深め、気づきを誘発した、ように感じた。


グループ討議に気づきを見る

グルー毎の討議のテーマは別にして、個々の発言内容を聞き乍思った。学校長講話や総務課長講義の内容が各人の発言内容等には気づきとして処々に反映されていた。それらの主なものを拾うと、

〇部門の長として、トップ(社長)の直近の補佐者(幕僚)の役割意識をもっと強くする必要。必ず達成すべき目標と望ましい目標を整理し、その優先順位の明確化に心がける。
〇状況判断の思考過程・思考要素を参考にシバタ社独自の意思決定スタイルを確立・共有したい。
〇指揮者と統御者の立場、どうすれば心を鬼にできるか、を厳しく自分に問いたい。
〇学校長講話ー前職空挺団長時の自由降下ーに示された組織を背負う上級者の強い意欲と覚悟は部門の長が持つべき目標達成への必須気構えである。
〇市場の未知の情報に手を拱く事は無い。未知と雖も真剣に向き合っていれば何らかの、どこかに手がかりはある。


学校長講話や総務課長講義の内容が研修者各自が普段から持つ問題意識を刺激した事は明白である。新鮮な刺激を受け、上記気づきとなった。研修は有意義であり、その実は確実に挙っていると感じた。

私の感想

本稿を纏めながら思った事は4つ。

1つ、ニーズに合致した講話や講義から研修者の問題意識が気づきを引き出し、研修の狙いは達成できた、と思う。

2つ、此の種の上級職研修は”必要と求める企業には”大変有効であり、陸上自衛隊が積み上げてきた財産を民間企業の人材育成に、よりハイレベルで還元する事が求められる時代になった。

3つ、その還元を通じ、多くの企業の上層部に防衛に対する真の理解が深まる予感がする。

4つ、此の種ニーズは広く企業に存するであろうから、今回を契機に更なる流れが期待できる・・。そうすると将来、陸上自衛隊幹部候補生学校は企業上級者研修の道場主、シバタ社研修者はその門を最初に叩いた門弟として名を刻む事になる・・・!?

結びに

丁度出門の時刻に、定年退官行事に出会った。この日、定年退官されるご夫妻を学校長以下全員で見送り、正門で警衛が捧げつつの敬礼を行い、全員の万歳で送る行事である。陸上自衛隊の”人”を大事にする作法を見届け、研修を締めくくったのが印象的である、との研修者の声を紹介して結びとする。

追記

朝雲新聞部隊便り面に研修についての記事がある。(平成26年4月17日)

扱いは小さいが今後の、此の種研修の在り様の啓示或いは企業における研修の活用という点で、大きな注目点である。

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